アルゼンチンに移住を考えている方を悩ますのはビザではないでしょうか。
アルゼンチンでのビザの取得は結婚・子供を出産するなどで取得できます。
そしてビザを取得した後は身分証明書が発行されます。
日本では在留カードが外国人には発給されます。
アルゼンチンではアルゼンチン国民と同じ身分証明書が発行されます。
それはマイナンバーの役割も果たす身分証明書DNI(デネイ)です。
外国人にとってはこれは在留許可証になります。
DNIの役割
DNIはアルゼンチン国内で働く時には必須になります(もちろん労働資格を有している必要があります)。
賃貸や家と土地の購入をするのにもDNIが必要になります。
またメルコスール国(南米の貿易地域)移動の時にはパスポート代わりにもなります。
アルゼンチンでのサービスを受ける時には大体このDNIが必要になります(図書館の登録、自転車の無料利用等)。
一部パスポートでも対応していますが、DNIの方がだいたい円滑に進みます。
Correo(郵便局)で国際郵便物を受け取る時にはこのDNIでないと受け取れません。
今回はビザ/DNIを発行するために必要な書類についてまとめました。
この記事では
またこれらは2018年1月末時点のものです。
時期により変更の可能性がございますので必ずご自分でご確認ください。
アルゼンチンでは法律の変化が結構あり、昨年はできたけど今年からはできないというものが多いです。
なので必ず役所までご自分で聞きに行くことをおすすめします。
こちらの記事はあくまで参考までにしてください。
DNI発行資格者
そもそもDNIを発行するためにはアルゼンチンへの滞在資格が必要になります。
簡単に言えば、ビザが必要になります。
日本生まれ日本育ちの方の場合、アルゼンチンへの滞在ビザを発給してもらう方法は以下の3つが主だと思います。
ポイント
- アルゼンチン人と結婚する(パーマネント)
- アルゼンチン国内で子供を産む(パーマネント)
- アルゼンチンの現地の会社から労働ビザをもらう(テンポラリー)
パーネントビザの場合はアルゼンチン人の家族がいる場合に申請できます。
アルゼンチン人と結婚する
これが一番多いと思いますが、アルゼンチン人と結婚すれば滞在許可が与えられるため、DNIを取得できます。
アルゼンチン人と結婚するためには市役所で結婚式を上げる必要があります。
結婚式に必要な書類のまとめはこちらです。
アルゼンチンで子供を出産する
これは日本人同士またはアルゼンチンではないパートーナーとアルゼンチンで滞在許可証を得たい人向けのものです。
アルゼンチンでは出生地主義を採っているため、アルゼンチンで生まれた子供は自動的にアルゼンチン人になります。
アメリカやカナダでも同じく出生地主義を採っています。
日本では血統主義ですので、外国人同士のカップルが日本で子供を産んでも日本人にはなりません。
子供がアルゼンチン人になるので、アルゼンチン人の家族がいることを理由に滞在許可を申請できます。
そのためアルゼンチン人と結婚をしていなくてもアルゼンチンに移住がしたい人は子供をアルゼンチンで出産することで、アルゼンチンの滞在許可を申請できます。
子供は自動的にアルゼンチン人になりますが、日本のパスポートも申請していれば22歳まではアルゼンチンと日本のパスポート両方を所持できます。
アルゼンチンの現地の会社から労働ビザをもらう
これはなかなか大変だと思いますが、アルゼンチンの会社に雇用されれば、労働ビザを申請できます。
この場合はテンポラリービザからの申請になります。
大変な理由は日本からの転勤とかでない限り、現地の会社が労働ビザを発給してまで、雇用することが少ないからです
学生ビザは?
学生ビザは語学留学や大学に通う時に申請できるビザで一番利用しやすいビザですよね。
ただここアルゼンチンに限って言えば、語学留学のような短期滞在の場合はビザが降りにくいです。
語学学校もビザの発給などを手助けしてくれません。
そのため短期滞在の場合は査証免除協定による、入国時にもらえる90日間の観光ビザを利用するのが一般的です。
90日を越える前に一度アルゼンチン国外に移動して再入国をしてまた90日間滞在する方法をとっている人がたくさんいます。
昔はこの方法だけで4、5年アルゼンチンに滞在している人もいたそうですが、2014年ぐらいから少し厳しくなったみたいで、担当の職員によっては1週間以内にアルゼンチンを去るように警告を受ける方もいるみたいです。
一年に一度だけ90日間の観光ビザの追加ができます。
こちらは出国することなく90日間観光ビザの追加ができる制度(prorroga-de-residencia)です。
詳細はHPから確認してください。
https://www.argentina.gob.ar/prorroga-de-residencia-categoria-transitoria-turista
これはお金を収めることで90日間の観光ビザを1年に1度追加できます。
後述する役所で申請できます。
収める金額はその時期によって異なるので、必ずご自分でご確認ください。
DNI発行に必要な書類一覧
2018年1月末の時点で必要だった書類/ものは以下です。
ポイント
- DNI申請の予約
- パスポート
- パスポートの翻訳(リーガリゼーション)
- 日本国内の犯罪経歴証明書
- アルゼンチン国内の無犯罪証明書(アポスティーユ)
- 居住証明書
- 申請料金 + カード発行料金
- 婚姻証明書
- 子供の出生証明書
- 勤労ビザ
- 学生ビザ
上記の書類に加えて以下の書類から一つ。
これはどの滞在ビザを申請するかによります。
パスポート
パスポートに関して必要なものは2つです。
パスポートそれ自体と、パスポートを翻訳してアポスティーユ(Ligalización)をする必要があります。
パスポートは有効期間中のものに限ります。
またもしパスポートを滞在中に更新した場合は、旧パスポートも必要になります
それは入国スタンプを確認する必要があるためです。
パスポートの翻訳
パスポートの翻訳は、英語からスペイン語に翻訳したので大丈夫です。
ただし、公証翻訳家とアポスティーユが必要になるので、決まった場所から翻訳家を探す必要があります。
Colegio de Traductores Públicos de la Ciudad de Buenos Airesという機関の翻訳家のみ認められています。
そのためこのサイトから公証翻訳家を探す必要があります。
またこちらで料金表を確認にしてください。
この値段が標準になります。
人によっては足元を見て外国人からお金を巻き上げようとしてくる人もいますので、適正な値段か確認してください。
翻訳家をお探しの場合は
私の友人のアルゼンチン人の翻訳家の仲介をしております。
適正価格で、連絡もしっかりとできる信頼のおける方です。
これまでも10名以上の日本人のパスポートを翻訳を仲介してきて、すべて適正価格で迅速に翻訳してくれました。
詳細は下記のリンクにまとめました。
-
アルゼンチンでの業務一覧と料金表です。観光ガイド、翻訳・賃貸の仲介等
翻訳する時は
パスポートには日本語と英語が記載されているので、英語をスペイン語に翻訳します。
アルゼンチンでは公証翻訳家が少ないため、日本語からスペイン語の翻訳は費用が嵩みますが、英語の翻訳家は多いので料金を比較して選ぶことが可能です。
翻訳するページ
ポイント
- 外務大臣のスタンプが押されている表紙裏
- 写真と旅券番号、氏名、生年月日の記載されているページ
- パスポート最後、所持人記入欄のページ
の3ページでした(2018年1月、私の場合は)
これらは時期により変更の可能性がありますので必ずご自分でご確認ください。
日本国内の犯罪経歴証明書
日本国内の犯罪経歴証明書の入手方法は2つあります。
1つは日本国内の警察署で指紋を採取して発行してもらったものをアルゼンチンに持ってくる方法。
もう1つは在アルゼンチン日本大使館(領事館)で入手する方法です。
どちらの方法も指紋を採取して、犯罪経歴がないことを証明した書類が必要になります。
指にインクを塗って魚拓方式で採取されます。
日本国内でもアルゼンチンからでも同様のものが発行されます。
提出先の国はアルゼンチンです。
どちらもスペイン語の記載があるため、翻訳は不要です。
またアポスティーユもされています。
大使館での発行は1〜2ヶ月かかります。
連絡がくるので、その時に取りに行きましょう。
また時間がかかるので、申請予定日に合わせて早めに申請する必要があります。
アルゼンチン国内犯罪経歴証明書
こちらはRNR(Registro Nacional de Reincidencia)という場所で指紋を採取して、アルゼンチン国内での犯罪経歴証明書を発行してもらいます。
私が取得した場所はテアトロコロンの近くです。
この時に予約をしてから行くとスムーズに指紋を採取できます。
予約はこちらからできます。
予約票をCorreo(郵便局)で支払います。
この時の料金は証明書発行までの日にちによって異なります。
24時間後の場合は割高に、5日後の場合は割安になります。
急ぎでない場合は5日後で大丈夫です。
予約した場合は予約票とパスポート、予約せずに行った場合は申請料金とパスポートが必要になります。
証明書の受け取りはオンラインで
証明書はその場でも後日郵送でもなく、予約する時と同じサイトからRNRで受け取った書類に記載されている番号を記入してPDFをダウンロードします。
ダウンロードしたPDFをプリントアウトすればOKです。
居住証明書
これは申請時の滞在先の証明書のことです。
滞在先の最寄りの交番でCertificado de domicilioが欲しい旨を伝えれば、パスポート番号と住所を紙に控えられ、翌日の9〜12時までに実際に住んでいるか確認に来ます。
交番に行く時はパスポートが必要ですが、翌日の受け取りの時は配達人から紙を受け取るだけです。
またはガスや水道、電気代などをご自分の名前で支払っている紙も証明がわりになるみたいです。
申請するビザの書類
パーマネントビザまたはテンポラリービザに必要な書類を集めましょう。
これは申請するビザによって変わるのでご自分でご確認ください。
パーマネントビザ
パーマネントビザは家族にアルゼンチン人がいる場合に申請できます。
アルゼンチン人と婚姻関係にある、子供がアルゼンチン人、親(祖父母)の誰かがアルゼンチン人の場合に申請できます。
関係を証明できるものと、その人のDNIが必要になります。
テンポラリービザ
労働ビザになります。
雇用される会社に確認しましょう。
予約〜発行までの流れ
予約
以上の書類が揃えば、Dir Nac de Migracionesという移民帰化局でビザの申請と同時にDNIのカードを申請します。
この時にDNI申請の予約が必要です。
http://www.migraciones.gov.ar/accesible/indexA.php?turno_online
上記のリンクから予約を取ります。
時間は2日以内の朝8時から12時まで選択できます。
移民局の場所
場所はレティーロ駅からプエルトマデロの方角に進んだところにあります。
治安はあまりよくない場所なので書類と必要なものだけの移動をおすすめします。
移民局への反対方角には巨大なスラムがありますので、絶対に間違えないようにしてください。
港と高いビルが見える方角です。
途中貨物列車の長い踏切や移民局に行く人を相手にものを売ろうとしてくる人が多いので、時間に余裕を持って移民局に行きましょう。
移民局に到着したら
移民局に到着すればまず長蛇の列を見ることになりますが、DNI申請の予約をしている場合はこちらで待つ必要はありません。
ドアの前にいる職員に紙を見せて中に入ります。
この時に6番の建物に行けと伝えられます。
6番は入館してから奥の外に出るためのドアを開けて公園を突っ切ったところにあります。
入館してすぐとドアの前の長蛇の列はメルコスールという南米の交易関係国籍の人が多数です。
日本人の場合はこの交易国にあたらないので違う施設での申請になります。
そこの施設は入館してすぐのたくさんいるメルコスールの人たちとは違い、比較的人は少ないです。
大勢の中国人か韓国人、少数の中東、ヨーロッパ、北アメリカです。
6号館に入館すれば
Extra Mercosur(メルコスール以外)の申請場所はDになります。
入館して初めにこちらの受付で指紋の採取と顔写真を撮影します。
スキャナーで指紋の採取をされます。
この時は予約票だけで大丈夫です。
予約票のバーコードから顔写真とサインを記載するための紙を印刷されます。
スペイン語と英語と中国語に対応しています。
紙を受け取った後は隣の窓口に呼ばれるまで待機になります。
番号は最初の受付の上にあるモニターに表示されます。
モニターに自分の番号が表示されたらCaja(窓口)の横にある番号の窓口に行きましょう。
窓口で
初めにどのビザを申請するか聞かれます。
その後にそのビザに必要な書類を提出します。
学歴と今現在アルゼンチンで何をしているか聞かれます。(お金がなく不法滞在されるのを防ぐためですね。)
書類に不備がない場合はビザの申請料金を支払いに4号館の支払い窓口にいき、料金を支払います。
その間に全ての書類はコピーをとられ、申請承認の後に原本は手元に返ってきます。
Caja(支払い窓口)という表示があるところで申請料金を支払います。
場所がわからない場合は紙を見せれば指でも指してくれます。
この料金表と警備員が座っている近くのCajaが支払い場所になります。
支払いは現金でペソ払いのみです。
2018年1月現在では2000ペソです。
*2018年5月下旬ごろから日本人を含むMerco sur加盟国でない人の申請料金は3倍の6000ペソになりました。
もうむちゃむちゃですね。
料金表は翻訳の料金とビザ申請の料金が記載されたものです。
支払いをした後は6号館の窓口に戻り、支払い証明書を提示します。
もう一度書類に不備がないか確認し、書類のコピーを取り終われば申請が受理されます。
ビザの申請とは別にDNIのカードの発行料はBanco Provinciaで支払う必要があります。
この時に受け取る紙に記載されているバーコードを使ってDNIの受け取りが行われるので絶対に捨てないでください。
パスポートや、人によってはドアマンの人が受け取ってくれたという方もいますが、私の時はこの紙が必要でした。
カードは翌日から3ヶ月の間に居住証明書に記載された住所に配達されます。
DNI申請後
DNIの申請後には、Precaria(プレカリア)というDNIを申請しましたよ、今はカードが作成されるのを待ってますよ。という証明書を渡されます。
このPrecariaは3ヶ月間のみ有効で、この期限内にDNIが届かない場合は下記の移民局のHPから更新しなければなりません。
また最近は外国人からお金をひったくる方法がどれだけ甘い蜜か気づいたようで、このPrecariaを更新するのに2000ペソ(5000円)かかります。
DNIが届かないのはこちらの落ち度ではありませんが、2000ペソかかります。
面接
2018年度から中国人の移住が多すぎるために、家族滞在ビザを申請する人は面接が必要になったみたいです。
就労ビザや学生ビザは、企業や学校というバックがあるので必要ないみたいですが、配偶者ビザや家族滞在ビザの時はこの面接が必要みたいです。
中国人といえば、1人移住すれば家族全員で移住することで有名ですからね、ここアルゼンチンでも移民局には大量の中国人移住希望者がおり、違法移民にならないかを確認するためにmercosur以外の外国人には面接が条件づけられるようになりました。いい迷惑です。
おかげで私もそれに気付かずにDNIの受け取りが申請から半年以上もかかってしまいました。
DNI申請時にメールアドレスを記入して、そのアドレスに面接のお知らせが届くので注意深くメールをこまめにチェックしてください。
移民局に行って予約をする必要がありますが、その時には6番の建物の右奥にある事務所に直接行ってノックするだけで大丈夫だと思います。
その時にPrecaria等の書類を持参しておくといいでしょう。
面接の時には配偶者の給料3ヶ月分の証明書とDNI申請した時に使ったものと類似した書類などが必要になります。
これはまた人によるので移民局でお尋ねください。
面接の内容は、配偶者ビザの場合は
どうやって出会ったか、一緒にいてどれぐらいか、仕事は何をしているか、アルゼンチンに家族がいるか、等のちゃんと結婚していることを確認するためのものです。
配偶者と一緒に面接をするので、スペイン語がわからなくても大丈夫っちゃあ大丈夫です。
私は前のめりで自分で答えましたけど(念のため)。
DNIが届かない時は
申請してからDNIの過程については移民局のHPから確認できます。
過程が終了したのを確認しても音沙汰がない時は、こちらで作成過程を確認できます。
Correoという郵便局で待機状態かなどを確認する場所です。
この時にもPrecaria等の書類が必要になります。
これとは別にDNIを受け取り損ねた場合や、損ねたかもしれないかなーと心配の方はこちらの場所で確認できます。
必要なかったもの
今回ビザ/DNIを申請するにあたり参考にさせていただいたサイト/Facebookでの口コミと異なることが多かったです。
例えばパスポートのコピーは全ページ、戸籍謄本の翻訳/アポスティーユが必要でないなどがあります。
Facebookの口コミでは2018年1月の書き込みでもパスポートの全ページコピーが必要とありましたが、必要ありませんでした。
その方は10年前に申請したみたいで、今の申請時には必要ないみたいです。
またコピー自体どの書類にも一切必要なかったです。
私はパスポートの全コピーをはじめ、妻のDNIのコピー、婚姻証明書のコピーを万が一に備え取っておりましたが、窓口の方に返却され、その場でコピーを取られました。
今は全ての窓口にスキャナー兼印刷機が設置されているので、コピーは必要とされてないのかもしれません。<
戸籍謄本については申請前に確認に行った時点で必要ないことを告げられました。
*注意*
この記事は日本生まれ日本育ちの方でアルゼンチンに移住・移住予定を考えている方に向けて書きました。
またこれらは2018年1月末時点のものです。
時期により変更の可能性がございますので必ずご自分でご確認ください。
アルゼンチンでは法律の変化が結構あり、昨年はできたけど今年からはできないというものが多いです。
そのため必ず役所までご自分で聞きに行くことをおすすめします。
私自身実際に役所まで確認しに行って申請しました。
参考にさせていただいた方の情報とは大分違いがあったので、申請する前にしっかりとご自身で確認に行くことが大事だと思います。
こちらの記事はあくまで参考までにしてください。
この記事を見て申請したけどうまくいかなかった等の文句は一切受け付けませんので悪しからず。