
今回はブエノスアイレスのおすすめ隠れ観光スポット「Palacio Barolo(パラシオ・バローロ)」を紹介します。
一言で言うと、「文学作品(詩)をそのままコンクリートのビルにしてしまった」という、世界でも類を見ない超個性派の宮殿です。
Palacio Barolo基本情報

Palacio Barolo
- 完成・誕生
- ダンテ『神曲』への狂気的な愛
- かつての南米一
1923年完成(1919年着工)。イタリア人建築家マリオ・パランティ(Mario Palanti)が、イタリア移民の大富豪(繊維王)ルイス・バローロ(Luis Barolo)の依頼を受けて建てました。
神曲(La Divina Comedia)の構造が100%そのまま建物に再現されています。
高さはちょうど100メートル(22階建て)。1930年代に別のビルに抜かれるまでは、ブエノスアイレス、そして南米で最も高い超高層ビルでした。現在は国定歴史建造物に指定されています。
場所
Palacio Barolo(以下バローロ宮殿)は国会議事堂近くのモンセラート地区にあります。
ダンテ『神曲』への狂気的な愛

バローロ宮殿の設計は、イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリの古典名作『神曲(La Divina Comedia)』の構造が100%そのまま再現されています。
ビル全体が「地獄・煉獄・天国」の3つの世界に縦に分割されているのが、バローロ宮殿の最大の特徴です。
3つの世界
- 地獄(Infierno)
- 煉獄(Purgatorio)
- 天国・楽園(Paraíso)
地下と1階(ロビー)。重厚な大理石や不気味なドラゴンの彫刻、不吉なシンボルが散りばめられています。
1階から14階。罪を清めるグラデーションを表現するように、上に行くほど装飾がシンプルになり、光が差し込む造りになっています。
15階から22階。ビルを引っ張る塔のエリアで、神聖な光に満ちた圧倒的な絶景が広がります。
3つの世界を分ける「階数のトリック」
建物は『神曲』の構造そのままに、縦に3分割されています。全22階という構成自体が、緻密な計算のうえに成り立っています。
スマホで閲覧する場合は横スクロールできます。
| 建物のエリア | 該当する階層 | 『神曲』におけるシンボル |
| 地獄(Infierno) | 地下 〜 1階 | ロビーにある9つのアーチは、地獄の9つの階層を表しています。 |
| 煉獄(Purgatorio) | 2階 〜 14階 | 煉獄にある「7つの階層」に対応。1つの階層につき2つの階が割り当てられているため(7X2=14)、計14階分あります。 |
| 天国(Paraíso) | 15階 〜 22階 | 当時知られていた太陽系の7つの惑星を表現する7つの階層に、最上階の灯台(神の光)をプラスしています。 |
高さ「100メートル」と「100の歌」
建物の総重量や構造を考慮しつつ、パランティがどうしても譲らなかったのが「100メートル」という高さです。
『神曲』が全部で100の歌(100 cantos)から構成されていることと完全に一致させるためです。
円周率πを編み出す「22」と「7」
ビルが「22階建て」で、塔のエリアが「7階分」なのも、中世の数学とダンテの詩の構造が隠されています。
- 詩の韻律
- 完璧な図形(円)の証明
『神曲』の多くの歌が、11節または22節(versos/estrofas)のモジュールで構成されています。これに合わせ、ビルの正面には11個のバルコニーが垂直に並び、各ブロックに22のオフィスが配置されています。
数学の歴史において、分数 22/7(22階/7階の塔)は、円周率の最も近い整数近似値として知られていました。ダンテやピタゴラス学派にとって「円」は宇宙で最も完璧な図形であり、パランティは建物の比率そのもので「完璧な円」を表現したのです。
南十字星
ビルの中心軸は、毎年6月の上旬の19時30分頃に、夜空の「南十字星」と完全に一直線に重なるよう設計されています。
ダンテの詩において、南十字星は「天国への入り口」を象徴しており、最上階の灯台の光がそのまま宇宙の星へと繋がる仕掛けになっています。
単にデザインを模しただけでなく、建物の寸法、オフィスの数、さらにはブエノスアイレスの緯度と星の動きまで計算し尽くされた、まさに「コンクリートでできた暗号」のような宮殿です。
世紀の灯台
ビルの最上階(22階)には、30万カンデラ(300,000 bujías)という凄まじい出力を誇る巨大な回転式灯台(Faro)が設置されています。
ラ・プラタ川を航行する船を照らすだけでなく、ウルグアイのモンテビデオにある「双子の兄弟ビル(パラシオ・サルボ)」と光で通信し合うために作られました。
建築スタイルとしても、アールヌーヴォーやネオゴシック、さらにはインドの「風の宮殿」といった東洋建築の要素までミックスされた、唯一無二のエキゾチックな空間です。
ツアー
バローロ宮殿のツアーは3種類ありますスマホで閲覧する場合は横スクロールできます。
| ツアータイプ | 主な開催日時 | 所要時間 | 特徴・ハイライト |
| 昼テーマ | 月・水・木・金: 12:00〜17:00の間 土・日: 11:00〜18:00の間 (※1〜2時間おきに催行) |
約75〜90分 | 展望台から市内を見渡す王道ツアー |
| 夜テーマ | 月・水・木・金・土: 19:00 / 20:00 |
約90分 | 夜景とグラスワインを楽しむツアー |
| ボルヘステーマ | 第2日曜14:00 | 約110分 | ダンテやボルヘスに扮した役者と回る文学的ツアー |
チケットの購入場所
1階にある豪華なチケット売り場(下の写真奥)で購入します。

オンラインで購入
事前にオンラインで購入しておくと、待ち時間などがなくスムーズに観光できます。
写真を撮るまでの苦行
写真を撮るためには1.5時間のツアーと結構な階段を歩く必要があります。
細い螺旋階段を延々と登らないといけないため、運動靴で参加しましょう。
ガイドが地獄の層から始まると、エレベーターに乗り煉獄(7階)に行きます。
その後またエレベーターに乗り今度は天国に行きます。
これが天国という名の地獄の始まりです・・・。
天国では14階から20階まで鬼のように細い螺旋階段を足で上がります。
20階にたどり着くとようやく市内の絶景が拝めます。
ギャラリー
最後に
今回はブエノスアイレスのおすすめ隠れ観光スポット「Palacio Barolo(パラシオ・バローロ)」を紹介しました。
バローロ宮殿は、神曲「ダンテ」を再現する建物で、3つの世界や数字など、細かいリスペクトがたくさん詰まったおすすめの観光地です。
ブエノスアイレスで隠れスポットを探しているなら、周辺の国会議事堂図書館と併せて、ぜひ訪れてみてください。
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