
ブエノスアイレスを象徴する文化といえば、タンゴ(Tango)です。
情熱の都アルゼンチンを訪れるなら、本場のタンゴを体験しない選択肢はありません。
現地に長く住んでいても、プロによるタンゴショーは何度見ても心を奪われます。
観光向けに感じるかもしれませんが、劇場で見るタンゴの技術と表現力は、路上パフォーマンスとは別次元です。
ブエノスアイレスには数多くのタンゴショーがあり、規模や雰囲気、価格帯もさまざまです。
この記事では
目次
- 1 超簡単要約
- 2 ブエノスアイレスのタンゴショー
- 3 タンゴショーを楽しむためのポイント
- 4 La Ventana(ラ・ベンタナ)
- 5 Rojo Tango(ロホ・タンゴ)
- 6 Secret Tango Society(シークレット・タンゴ・ソサエティ)
- 7 Aljibe Tango(アルヒベ・タンゴ)
- 8 El Viejo Almacen(エル・ビエホ・アルマセン)
- 9 Tango Porteño(タンゴ・ポルテーニョ)
- 10 Piazzolla Tango(ピアソラ・タンゴ)
- 11 El Querandi(エル・ケランディ)
- 12 Café de los Angelitos(カフェ・デ・ロス・アンヘリートス)
- 13 Señor Tango(セニョール・タンゴ)
- 14 タンゴショーの選び方
超簡単要約
- El Querandi(エル・ケランディ)
- El Viejo Almacen(エル・ビエホ・アルマセン)
- Secret Tango Society(シークレット・タンゴ・ソサエティ)
- Rojo Tango(ロホ・タンゴ)
歴史ある小規模会場で開催されるタンゴショー。
タンゴの誕生から現在までを物語形式で描き、初めてでも理解しやすい構成です。
1969年創業の老舗タンゴハウス。
タンゴに加えて民族舞踊も楽しめ、ショー重視で選びたい人に向いています。
17時〜18時開始の早い時間帯が特徴の少人数制ショー。
約20名限定で、全席が実質最前列の臨場感があります。
高級ホテル「ファエナ」内で開催されるラグジュアリーショー。
特別な夜を過ごしたいカップルや記念日利用に最適です。
おすすめのタンゴショーの詳細を紹介する前に、タンゴショーの魅力、楽しむポイントを紹介します。
ブエノスアイレスのタンゴショー

ブエノスアイレスで観る本場のタンゴは、映画や映像で見るタンゴとはまったく別物です。
実際のタンゴショーでは、複雑で繊細な動きや、長年積み重ねてきた呼吸のような合図によって、情熱的な物語が舞台上で表現されます。
観光ガイドとして多くの方をご案内してきましたが、初めてブエノスアイレスを訪れる方には、必ずタンゴショーをおすすめしています。
街の歴史や空気感を、短時間で深く感じられる体験だからです。
ただし、市内には数多くのタンゴショーがあり、規模や雰囲気、価格帯もさまざまなため、初めての方ほど、どれを選べばよいか迷いやすいのが正直なところです。
本記事では、実際に案内や下見を重ねてきた視点から、ブエノスアイレスで本当におすすめできるタンゴショーを厳選し、それぞれの特徴を分かりやすく紹介します。
旅行スタイルに合ったタンゴショー選びの参考にしてください。
タンゴショーを楽しむためのポイント
開始時間が遅い
ブエノスアイレスのタンゴショーは、開始時間が遅いのが一般的です。
多くのショーは22時前後に始まるため、夜遅い時間が苦手な方は、17時〜18時開始の早い時間帯のショーを選ぶと安心です。
ショーのみまたはディナー月
ほとんどのタンゴショーには、ディナー付きプランとショーのみプランがあります。
食事はショーと同時ではなく、必ず開演前に提供されます。
料金を抑えたい場合は、ショーのみを選ぶのも1つの方法です。
ディナーの内容
ディナーの内容について正直にお伝えすると、アルゼンチンで食べる最高の食事ではありませんが、ショーを観ることを目的とした場合は十分満足できるレベルです。
移動や時間管理に不安がある方は、ディナー付きにするとスケジュールが楽になります。
一方で、食事のクオリティを重視したい方は、近くのレストランで早めに食事を済ませてからショーに向かうのがおすすめです。
ホテル送迎
一部のタンゴショーでは、ホテル送迎が含まれています。
Airbnbに宿泊している場合でも、近隣のホテルからピックアップ可能なケースがあるため、予約時に確認すると良いでしょう。
移動にはUberやCabifyも安全で使いやすく、夜間の移動でも安心です。
赤ワイン
当日は細かいことを気にしすぎず、ワインを楽しみながらショーを堪能してください。
アルゼンチンのマルベックとタンゴは相性抜群です。
それでは、ブエノスアイレスでおすすめのタンゴショーを紹介します。
本記事で紹介するすべてのタンゴショーは、GetYourGuideから事前予約が可能です。
GetYourGuideで予約ができない、ブエノスアイレス市内最古のカフェテリア「Cafe Tortoni」のタンゴショーのチケットを代理購入しております。
詳細は以下の記事よりお確かめください。
La Ventana(ラ・ベンタナ)
タンゴと民族舞踊を同時に楽しめる名門ショー
La Ventanaは、サンテルモ地区にある老舗のタンゴショー会場です。
観光ガイドとして案内する中でも、アルゼンチン文化を幅広く体験したい方に選ばれることが多い会場です。
ショーの最大の特徴は、タンゴだけでなく、アルゼンチン各地の民族舞踊も組み込まれている点です。
ブエノスアイレス発祥のタンゴに加え、北部地方のチャマメやチャカレーラ、サンバなども披露されます。
都市文化と地方文化を一度に見られる構成は、初めてアルゼンチンを訪れる方にとって理解しやすい内容です。
会場は約200席と比較的大きめですが、スタッフの対応が丁寧で、観光客でも安心して楽しめます。
総勢35名のダンサーと2つのオーケストラによる演出は迫力があり、ショーとしての完成度も高い印象です。
タンゴだけに特化した濃い演出を求める方よりも、「アルゼンチンとはどんな国かをまとめて知りたい」という方に向いているショーです。
Rojo Tango(ロホ・タンゴ)
特別な夜に選ばれるラグジュアリーショー
Rojo Tangoは、ブエノスアイレスでも屈指の高級ホテル「ファエナ・ホテル」内で開催されるタンゴショーです。
観光ガイドとして案内する中でも、記念日やハネムーン、特別な夜を過ごしたい方に選ばれることが多い会場です。
会場はキャバレー形式の小規模な空間で、ダンサーが観客のすぐそばまで入り込む演出もあります。
距離の近さによって、タンゴの緊張感や表情、音楽の迫力を間近で感じられる点が大きな魅力です。
出演するダンサーやミュージシャンのレベルは非常に高く、演出や照明、内装まで含めて完成度の高いショーが展開されます。
食事付きプランでは、内容も比較的評価が高く、雰囲気を重視する方には満足度の高い体験になります。
料金は他のタンゴショーと比べて高めですが、「せっかくアルゼンチンまで来たなら、忘れられない夜にしたい」という方には、十分に価値のある選択肢です。
Secret Tango Society(シークレット・タンゴ・ソサエティ)
早い時間に観られる少人数制ショー
Secret Tango Societyは、ブエノスアイレスでは珍しい夕方から始まるタンゴショーです。
多くのタンゴショーが22時前後に開演する中、17時〜18時に入場できる点が大きな特徴です。
会場はパレルモ・ハリウッド地区にあり、観光客にもアクセスしやすい立地です。
席数は約20名と少なく、ダンスフロアを囲む配置のため、どの席でも至近距離でショーを楽しめます。
実質的に全席が最前列といえる環境です。
新しいショーながら、出演するダンサーやミュージシャンのレベルは非常に高く、完成度の低さを感じることはありません。
開始時間が早いため、他のショーに出演する一流パフォーマーが参加できる点も、このショーの強みです。
ディナーは含まれていませんが、ワインが提供されます。
ショー終了後にレストランへ向かえるため、「食事は自分で選びたい」「夜遅くまで外出したくない」という方に向いています。
タンゴショーを観たあとにディナーを楽しみたい方や、夜の予定を詰め込みたくない旅行者には、特におすすめしやすい選択肢です。
Aljibe Tango(アルヒベ・タンゴ)
早めの時間帯で楽しめる伝統的ショー
Aljibe Tangoは、サンテルモ地区にある歴史的な建物内で開催されるタンゴショーです。
同じ敷地内にはMichelangelo Tangoもあり、クラシックな雰囲気の中でタンゴを楽しみたい方に向いています。
このショーの特徴は、タンゴに加えてアルゼンチン各地の民族舞踊も取り入れている点です。
ガウチョ衣装で踊られる伝統舞踊と、情熱的なタンゴの両方を一度に観られるため、文化的な要素を重視する方には満足度が高い構成です。
Aljibe Tangoは、他のタンゴショーと比べて開始時間が比較的早めなのも魅力です。
ディナーは19時頃から、ショーは20時15分頃に始まるため、夜遅くまで外出したくない方でも無理なく参加できます。
ディナー付きプランを選べば、移動や時間調整の負担を減らせます。
一方で、近隣のレストランで食事をしてからショーのみを観る選択も可能です。
サンテルモは散策も楽しいエリアなので、前後の予定を組みやすい立地といえるでしょう。
夜型のスケジュールが不安な方や、落ち着いた雰囲気でタンゴを楽しみたい方におすすめできるショーです。
El Viejo Almacen(エル・ビエホ・アルマセン)
歴史を感じる老舗タンゴハウス
El Viejo Almacenは、サンテルモの中心に位置する、ブエノスアイレスを代表する老舗タンゴショー会場です。
1969年にタンゴハウスとして開業しましたが、建物自体は1900年頃から存在し、かつては移民が営むレストランとして使われていました。
一歩足を踏み入れると、現代的な演出よりも、古き良きブエノスアイレスの空気を色濃く感じられます。
観光ガイドとして案内する際も、「派手さよりも、歴史や雰囲気を大切にしたい」という方に選ばれることが多い会場です。
このショーでは、タンゴだけでなく民族音楽や民族舞踊も披露されます。
アルゼンチン文化の背景を感じられる構成で、ショー全体に物語性があります。
過去にはアニバル・トロイロやオスバルド・プグリエーセなど、名だたるタンゴ音楽家がこの舞台に立ってきました。
なお、ディナーよりもショーの質を重視したい場合は、ショーのみのプランがおすすめです。
周辺にはLa BrigadaやDesnivelなど、有名なステーキハウスもあり、食事は別に楽しむ選択肢もあります。
歴史ある空間で、落ち着いたタンゴを味わいたい方には、安心しておすすめできる会場です。
Tango Porteño(タンゴ・ポルテーニョ)
大劇場で楽しむ王道タンゴショー
Tango Porteñoは、ブエノスアイレスの象徴であるオベリスコから徒歩圏内に位置する、大規模なタンゴショー会場です。
観光の中心エリアにあり、初めてブエノスアイレスを訪れる方でもアクセスしやすい立地です。
会場は、20世紀初頭に建てられた歴史ある劇場を修復したもので、当時の華やかな雰囲気を今に伝えています。
劇場内に入ると、ブエノスアイレスが「南米のパリ」と呼ばれていた時代を感じられる空間が広がります。
ショーの内容は王道のタンゴスタイルで、衣装や演出、照明に至るまで完成度が高い構成です。
ダンサーの人数も多く、ステージ全体を使った迫力あるパフォーマンスが展開されます。
一方で、会場が大きいため、席によってはステージから距離を感じる場合があります。
臨場感や近さを重視する方よりも、「本格的な舞台演出をしっかり楽しみたい」という方に向いています。
ダンスレッスン付きプランも用意されており、観るだけでなく体験したい方には良い選択肢です。
ディナー付きプランもありますが、観光ガイドとしては、ショー後にコリエンテス通り周辺で食事を楽しむ方法もおすすめしています。
Piazzolla Tango(ピアソラ・タンゴ)
作曲家ピアソラに捧げる芸術的タンゴショー
Piazzolla Tangoは、アルゼンチンを代表する作曲家アストル・ピアソラに敬意を表したタンゴショーです。
会場は、ブエノスアイレス中心部にあるガレリア・グエメス内の劇場で、観光の合間にも立ち寄りやすい立地です。
ピアソラは、伝統的なタンゴにジャズやクラシックの要素を取り入れ、タンゴを芸術音楽として発展させた人物です。
このショーでは、彼の代表作を中心に構成され、音楽そのものをじっくり味わえる内容になっています。
劇場は1915年に建てられたアール・ヌーヴォー様式で、内装の美しさも大きな魅力です。
華美すぎない落ち着いた空間で、音楽とダンスに集中できます。
派手な演出や大人数のダンサーを期待する方よりも、「タンゴの音楽性や表現を深く味わいたい」という方に向いているショーです。
ショー前後には、同じ建物内にある屋上バーを利用するのもおすすめです。
ブエノスアイレスの歴史的建築を眺めながら、余韻を楽しめます。
El Querandi(エル・ケランディ)
物語性と雰囲気で選ぶなら最有力
El Querandiは、プラサ・デ・マジョから徒歩圏内にある、歴史ある邸宅を利用したタンゴショー会場です。
建物は1867年に建てられ、タンゴ会場としては1920年から使われており、市内でも最も歴史のある部類に入ります。
会場は小規模で、どの席からでもステージが見やすい造りです。
観光ガイドとして案内する中でも、「距離が近く、落ち着いた雰囲気で観たい」という方に高い満足度があります。
El Querandiの特徴は、タンゴの歴史を物語として構成している点です。
移民文化や時代背景を感じさせる演出が多く、単なるダンスショーではなく、ストーリー性のある舞台として楽しめます。
歌手のレベルが高く、音楽面の評価も安定しています。
衣装や演出は派手すぎず、歴史ある建物の雰囲気と調和した構成です。
初めてタンゴショーを観る方でも、内容を理解しやすいでしょう。
規模の大きな劇場や豪華演出よりも、「ブエノスアイレスらしさを静かに味わいたい」という方には、最もおすすめしやすいタンゴショーです。
Café de los Angelitos(カフェ・デ・ロス・アンヘリートス)
名門カフェで楽しむ伝統的タンゴショー
Café de los Angelitosは、1890年創業の歴史あるカフェで開催されるタンゴショーです。
ブエノスアイレス市が指定する「バレス・ノタブレス(歴史的カフェ)」の1つで、かつては詩人や芸術家、タンゴ歌手カルロス・ガルデルも集った場所として知られています。
ショー会場は、カフェの奥に設けられた専用シアターで、装飾が施された落ち着いた空間です。
ステージは客席より少し高い位置にあり、どの席からでも視界が遮られにくい造りになっています。
約20名以上のダンサーが出演し、衣装や演出も丁寧に作り込まれています。
観光ガイドとしての視点では、「タンゴだけでなく、ブエノスアイレスの歴史も感じたい」という方に案内しやすい会場です。
ショーの完成度が高いと評判で、初めての方でも安心して選べます。
場所はコングレッソ地区にあり、市内中心部からのアクセスも良好です。
昼間にカフェとして立ち寄るだけでも価値がある建物なので、時間に余裕があればショー前後の散策も楽しめます。
Señor Tango(セニョール・タンゴ)
圧倒的スケールを誇る大規模タンゴショー
Señor Tangoは、ブエノスアイレスで最も知名度が高く、規模の大きいタンゴショーの1つです。
演出家フェルナンド・ソレールが手がけるショーは、国内外で数々の賞を受賞しており、観光客からの評価も非常に高い会場です。
出演者はダンサー、歌手、オーケストラともに人数が多く、舞台演出も豪華です。
照明や映像演出、特殊効果を使った構成で、ショー全体がエンターテインメント性の高い内容になっています。
タンゴショーというより、1つの大規模舞台作品を観る感覚に近いでしょう。
会場は市内南部のバラカス地区にあり、中心部からはやや距離があります。
そのため、ホテル送迎付きプランやタクシーの利用がおすすめです。
夜間の移動を考慮すると、送迎を含めて予約すると安心です。
規模が大きいため、近さや落ち着いた雰囲気を求める方には向きません。
一方で、「初めてのタンゴショーで、分かりやすく迫力のある演出を楽しみたい」「レビュー評価が高い定番を選びたい」という方には、満足度の高い選択肢です。
タンゴショーの選び方
ブエノスアイレスには数多くのタンゴショーがありますが、会場の雰囲気、開始時間、規模、演出の方向性によって体験は大きく異なります。
小規模で物語性を重視したショーもあれば、劇場型で迫力ある演出を楽しめるショー、早い時間に観られる少人数制のショーもあります。
どれが正解というよりも、旅行の日程や体力、求める体験に合った選び方が重要です。
本記事で紹介した10のタンゴショーは、いずれも観光客向けとして実績があり、初めてのアルゼンチン旅行でも安心して選べる会場です。
チケットの購入方法
本記事で紹介したすべてのタンゴショーは、GetYourGuideから事前予約が可能です。
GetYourGuideを利用するメリットは以下の通りです。
- 日本語表示で内容を確認できる
- クレジットカード決済が可能
- 当日の窓口購入よりスムーズ
- 日程変更やキャンセル条件が分かりやすい
現地でチケットを探す手間や、言語の不安を避けたい場合は、GetYourGuideでの事前予約が最も安心な方法です。
観光シーズンや週末は満席になることも多いため、日程が決まり次第、早めの予約をおすすめします。
GetYourGuideで予約ができない、ブエノスアイレス市内最古のカフェテリア「Cafe Tortoni」のタンゴショーのチケットを代理購入は、こちらよりお問い合わせください。
まとめ
ブエノスアイレスのタンゴショーは、短時間でアルゼンチンの歴史、音楽、情熱を体感できる貴重な体験です。
本記事を参考に、自分の旅行スタイルに合ったタンゴショーを選び、GetYourGuideで事前に予約して、安心して本場のタンゴを楽しんでください。