今回は今まで言ってなかったんですけど、私が実際に強盗被害に遭った話です。
家族にも言ってなかったんですけど、やっぱり同じような被害者を出さないためにも情報は共有した方がいいかなって。
このブログでも治安について紹介した時に対策とか書いてますが、私はそれまでは、まさか自分に遭うとは思ってなくて、結構のんきでした。
人間って自分だけはそんなことがないだろうと思って行動するらしいのですが、まさにそんな感じでしたね。
油断大敵とはよく言ったものです。
ではどのようなものだったのか、その日の背景から見ていきましょう。
カレーパーティーに参加する予定だった夜
あれは7月の初めのことでした。
フェイスブックで知り合った人から日本関連のイベントでカレーパティーがあるからYOUきちゃいなよって言われたので、参加予定でした。場所はブエノスアイレスのパレルモでした。
イベントは土曜日の夜でした。
私は正反対の郊外の南(パレルモは北)に住んでいたため、行くにはバスです。
友達をつくるいい機会だと思ったので、当時の彼女と二人で土曜日の夜に出かけました。
私はどうせ携帯は電波がないからといつも持ち歩いていませんでした。
財布はもちろん持ち歩いてませんでした。
なのでその日もいつものようにお金を少しと、SUBE(suicaみたいなね)と鍵だけを持って外にでました。
間違いその1:雨の夜中に外に出た
土曜日の夜は、日本と違い外に人気は0です。
それとも私が住んでいたところがブエノスアイレス郊外の南で、そういう地区だったのもあるかもしれませんが。
それに加えて雨が降っていました。もうこの時点で私は行く気0でした。
それでも彼女が私に友人をつくって欲しいからって、行こう行こうって。
雨嫌いだし、行きたくなかったのですが、そこまで言われたらしゃあないし、行こかって。
これが間違いその1です。
間違いその2:タクシーでなくバスで行こうとした
でも行くなら行くで、タクシーで行こうよーっと私が言っても、お金がもったいないからバスで行くと彼女。
この時彼女はパートタイムだったのでお金に余裕がなく、私が払うと言っても、私にお金を払わせたくないと頑なに拒みました。
私にお金を払わせたくない。
だから安いバスで行く。
これが間違いその2ですね。
間違いその3:橋の下のバス停で待つ
それで雨の中、傘をさしながらバス停を目指します。
もう人っ子ひとりいません。
私は普段バス停などは彼女が知っているからそれに付いて行くだけでした。
ただ彼女も生涯ずっとそこで住んでいるのにもかかわらずバス停の場所がわからず、母親に聞いていました。
で着いた先にバス停がなく、また彼女の母親に調べてもらってました。
で、告げられた場所が橋の下のバス停でした。
私はもう嫌な予感がばちばちしてました。
(被害に遭ったから言ってるわけではなく、本当に嫌な気がしてました。)
私は彼女に幾度も、本当に大丈夫か?橋の下は絶対やばいってと何回も言いました(本当に)。
帰ろうよーって。他のバス停はないの?本当にそこに行かないとダメ?と何回も聞きました。(本当に)
やっぱり面倒ごとは避けたいですからね。
でも彼女はもう予約もしたし、フェイスブックで行くって言ったから行くと聞きませんでした。
ちょっと頭の硬い人でね、キャンセルとか融通を利かすとかいうことはできないんですよね・・・。
私が今日は雨降っててバス来ないからいけないって言えばいいよって言っても、それじゃあ向こうに悪いから、行くって。
本当はこの時に無理にでも帰ってればよかったなって、今でも思います。
彼女は私といるから、大丈夫大丈夫ってことで橋の下に行きました。
これが間違いその3です。
もう本当にその時橋に言ったことを悔やみますし、なんて愚かだったんだろうって思いますね。
続きます。
橋の下で強盗に
バス停を探して2ブロックほど歩いて橋の下のバス停に着きました。もう本当にその時の私は、あー怖いな怖いな、なんかいるぞーこれっと淳士さんみたいでした。
バス停の周りにはバスを待っている男女が二人と、黄色のカッパ(雨具)で自転車にまたがっている人がいました。
5分以上待ってもバスは来ません。まわりに通行人も少なく、暗いです。
しばらくバスを待っている間にカップルだと思っていた男女はそうではなくて、女性だけがバスに乗りました。
その後もバスはまだ来ず、彼女は携帯で時間の確認をしていました。それですぐにバス停で待っていた男が彼女に話しかけました。
私は携帯で時間を確認したから時間を聞いてきたのかと思っていました。
それにしては彼女がすごく不安な顔をして、NO NOと言っています。ああ、これはそういうことかと。
そうです、この男性は強盗でした。
女性がいなくなり周りに私たちだけになったところで強盗を始めたわけですね。動くなと言われ、手に武器らしきものをチラつかせます。私はナイフだと思いますが、彼女は銃だと思っていたらしいです。
私はスペイン語がわからないぶん、あまりパニックにはなりませんでした。本当に冷静でした。あー、これは強盗じゃわと。
向こうも声を荒げたりするタイプではなく、人に気づかれないようにするために声を殺して話しかけていたのもあるでしょう。
男は彼女からお金を取り上げて、次に私に向かって何を持ってるのか聞いてきました。ただ私はまっっっったく何言ってるのかわかりませんでした。
それで何か言うのは多分まずいだろうと思い黙ってました。
で、男は私が何も言わないから、ナーバスになったのか目がキョロキョロし始めました。
それで私も、あーこれなら道路側にタックルして車に撥ねてもらおうかなとか、ヒョロガリのくせに考えてました。
その強盗も小柄な男だったので、そんなことを考えてました。
ただ少し首を動かして、周りを確認したところ、黄色のカッパを着ている男が周りをチェックしていたので、こいつらグルだったのかと。
それなら、リスクを冒して死ぬのは嫌だから諦めました。
ヒョロガリの癖にね、一丁前の男児の気持ちがありますからね。
手をあげてポケットを男に探らせて、私の裸のお金とキッチンペーパーとゴミを見つけ、お金だけを取って行きました。
その間も目はキョロキョロさせてました。
これで終わりかと思ったら、男はまた彼女に話しかけました。
携帯をよこせと。多分私たちから盗んだお金が思ってたより少なかったので、今度はスマホに狙いを定めたようです。
彼女も抵抗するのは得策ではないから、スマホを渡しました。
それで強盗に走らずにゆっくり歩いて立ち去れと言われその場を離れました。
強盗がその場を離れてすぐにベビーカーを押してこちらにファミリーが来てたので、解放されたのでしょう。
もう少しその家族が早く来ていたら彼女はスマホを渡さずに済んだかもしれません。
もしなんてないですけどね。
私は立ち去りながらも周りを見渡すと黄色のカッパの男はもう消えていました。
正直恐怖とかはそんなになかったです、なんならそんなことが起きる気がしてたから。それでも強盗とかは人生で初めてだったので、すこし気が重くなりましたね。私はお金だけで済んだのですが、彼女は古いタイプのスマホまで盗まれて、強盗から私を守ろうと必死でしたからね。
雨の中を足早に家まで掛けました。
家に着いてお母さんに事の顛末を話し始めたところで、彼女の緊張の糸が解けたのか、号泣でした。
その時から今までの自分の認識の甘さを見直して、徹底していかなければ、次は守られるのではなくて守らないとなと誓いましたね。
その後
強盗に盗まれた金額は二人で500ペソ(3500円)、スマホが古いギャラクシーで多分2000ペソ(その当時で14000円ぐらい)でした。
帰宅後すぐに強盗が彼女の携帯からお母さんにメッセージを送って来たので、彼女はもうブチギレの怒りのメッセージを返してました。
そのあとはもう返事が返ってこなかったみたいですが。
彼女はスクリーンロックもしていないぐらいセキュリティがガバガバだったので、アカウントのパスワードを全て変えました。クレジットカードとかを持っていなかったので、二次災害がなかったのが唯一の幸いですね。
whatappというメッセージアプリがアルゼンチンでは主流ですが、このアプリは電話番号で登録、ログインをします。
そのためSIMカードごと盗まれたら電話番号を変えないと、不正利用されるかもしれません。だから彼女はスマホと一緒に電話番号も新しく変えました。
whatappには盗難された旨を伝えロックをかけてもらってました。whatappはこういうところが不便だと思います。
特に南アメリカのような強盗の多い国だとね、そんなこと頻繁にあるだろうし。IDでログインできるように変更するべきですよね。
盗難届けなどの被害報告に警察には行きませんでした。
彼女いわく警察はそういった対処はしないし、時間の無駄だと。
そんなもんなんですかね。
日本だとわたしならいくら無駄でも報告しますけどね、再犯防止のために。
次の日に彼女は私に、彼女のお父さんも昔同じ場所で財布を盗まれたことがあるという話をしてくれました。
いやそんなところに連れて行くなよと本当に思いました。
その週に彼女はスマホを新しく買い直しました。おばあちゃんやお父さんからお金をもらったみたいで。
前の機種に比べたらいいのが買えたので、ちょっと嬉しそうでした。
(いいとは言ってもエントリー機ですよ。)
そしてしばらくして私がバスを利用し始めた時に、2ブロック先に利用する予定だったバス停があることに気づきました。いや、なんで危険を冒して橋の下で待ってたんやって。
もうね、本当にその周辺でしか住んでいなかったのにバス停の場所も把握してなかったのかと、無知は怖いなって心底思いました。
後多分、ブエノスアイレス郊外の治安があまりよくない場所だったのも関係してますね。ブエノスアイレスより南に30分ほど車を走らせた場所です。
その強盗は麻薬をしててハイになってました。そこの地域の強盗は麻薬でハイになって強盗をする人が多いらしいです。
前大統領のクリスティーナは麻薬を推進していたので、彼女の実家の周りはクリスティーナのファンがたくさんいます。
だからどうとは言わないですけど、お察しの地域ですよね・・・。
終わりに
結構この記事だと、女々しく彼女のせいみたいに書いてますが、もちろん彼女に非はないです。
悪いのはもちろん強盗ですから。
事実としてどうしてその場所に行ったか書いただけで非難の気持ちはないです。
私たちの防犯観念がゆるかったために強盗に遭いましたが、悪いのはもちろん強盗です。
初め私は、彼女に八つ当たりこそしませんでしたが、一因は彼女だよなーと思ってました。
でも私の不注意や土地勘のなさとかでもあるよなーと。
ただ普通に考えて、悪いのは強盗ですよね。
ただ防犯はしっかりせねばとは思いました。
現地人と行動してこの結果ですからね。
まあ現地人とは言っても彼女は少し(どころか結構な)世間知らずなところがありますからね。
これからも気が抜けないなとは思いました。
タクシー代を惜しんだばかりにこういう嫌な目に遭ってしまいました。
それからも貧乏性の彼女はタクシーの利用を避けます。
そこで私が彼女にいつも言うのが、タクシーで300ペソ払って楽しく過ごすのと、タクシーを惜しんでタクシー代以上のものを盗まれて気が重くなるのとどっちがいいのか です。
これを言えばだいたいはハッと気づいた顔をします。
子供かと。
最近はやっとタクシーを使う抵抗が薄れて来たのか、頻繁ではないですけど少なくとも夜の移動の時はタクシーを使うようになりました
その日を界に防犯について調べ、実践するようになりました。
事が起きる前にできてたらどれだけよかったことか。
これからブエノスアイレス、アルゼンチンに遊びに来る人には私と同じ轍を踏んでほしくないので、私の経験を共有します。
私が治安のよくない郊外に住んでいたのもありますが、今一度アルゼンチンは強盗がいて、殺人もある国だというのを覚えておいてください。
あと間違っても抵抗しないようにしましょう。
単独犯ではなく複数犯なので、銃で撃たれます。
また防犯のまとめはこちらです。
私もこれを事前に知っておけばと今でも思いますので、ぜひ読んでください。
一年前の出来事ですが、本当にそれ以来街や人を見る目が変わりました。
アルゼンチンでは見た目で判断するって言うのは大事なことです。
日本やアメリカだとホームレスの見た目でも実は社長だった みたいなのがありますが、こちらではお金がなさそうな人は本当にお金がない人です。
悪そうな見た目の人は本当に悪い人です。
ファッション悪じゃあないです
見た目で判断して、近づかない近づけさせない。
金品を見せびらかせない。
これに尽きます。
それでも強盗に遭えば、大人しく金品を渡しましょう。
命が大事です。
アルゼンチンでは交通事故と同じでどれだけ気をつけても強盗に遭うときは遭います。
確率の問題です。
仕方ないと割り切ってください。
昼間の人がたくさんいるところですら強盗があるような場所ですからね。
防犯対策はしっかりしましょう!
この記事が役に立てば幸いです!
楽しい旅行にするためにも細心の注意を、でもナーバスになりすぎて旅を楽しむのを忘れないでください笑